一枚板のテーブルが出来るまでの流れを紹介していきます。
きくらでは、材料の仕入れから、製造、販売まで一貫して行っております。一枚板を仕入れてから、オーダーメードのテーブルとしてお客様のご自宅に届くまでには、板の乾燥を含めると1年半以上の時間がかかります。そのため、予め仕入れておいて、乾燥させた板を基本的には販売しております。
また、加工においては機械による量産ではなく、一台一台職人が丁寧に仕上げております。その点も大手家具メーカーと一線を画すところです。
・仕入れ
幅の広い稀少な一枚板は、一般的な材木業者では取扱が少ないため、銘木市で仕入れてくることが多いです。銘木市は全国各地で行われていますが、きくらでは岐阜県にある岐阜県銘木協同組合の会員になっております。
・乾燥
伐採され、丸太を一枚板にスライスした板は、水分を大量に含んでいます。材木市で一枚板を落札した直後の含水率は50%〜90%位です。製品にするためには、10%前後まで含水率を下げる必要があります。水分を多く含んだまま商品にすると、板が大きく動き反りや割れの原因になるからです。
一枚板の乾燥スピードは樹種やサイズによっても異なりますが、10%前後まで下げるのに天然乾燥で2年以上かかります。きくらでは、天然乾燥で2年以上乾燥させて含水率を十分に下げた後、さらに人口乾燥器に入れて乾燥を仕上げています。これは、エアコンやヒーター等で室内において、自然環境ではありえない過度な乾燥状態にテーブルがさらされることに対応するためです。
・外形寸法カット
テーブル天板の長さ、幅をカットしテーブルサイズを決めていきます。耳の部分に腐れや虫食いがある場合は、ここである程度削って落としておきます。天板の見た目がほぼ決まってきますので、バランスを見ながら慎重に作業していきます。
・鉋がけ
サイズをカットしたら、いよいよ手鉋をかけていきます。工程の中で最も時間をかけている作業です。
鉋は天板の裏面になる側からかけていきます。まず、繊維方向に対して直角に横ズリをします。次に繊維方向に対して45度、斜め方向に削って荒削りをします。この段階で逆目や板の反り、機械加工で出たナイフマークを落としておきます。
荒削りが終わると、今度は中仕上げです。繊維方向と同じ向きに削っていきます。逆目が出やすいので注意が必要です。荒削りによって表面がモサモサしているので、それがなくなるまで落とします。
最後に仕上げ削りです。ここまで寸6か寸8の鉋を使ってきたのですが、仕上げでは徐々に鉋のサイズを小さくして削っていきます。これは、鉋の耳が立つのを防いだり、大きな鉋では刃が当たらなくなるからです。凹凸や、逆目がなくなり、表面がつるつるになるまで削りこみます。
同様に表面も削って鉋削りは終了です。テーブルサイズや板によっては鉋がけに一週間以上かかる場合もあります。
・補修
一枚板には成長過程で出来た節や虫食い、乾燥中に出来た割れ等のダメージがほとんどの板に入っています。そうした部分は、チギリ(チョウチョ型の埋木)を入れたり、接着剤と木屑を混ぜた物を使って一つづつ補修します。チギリはヒビ割れを止めるために入れる物なのですが、それ自体がデザイン的なアクセントにもなるため、全体のバランスを見ながらサイズや入れる場所を決めていきます。
・テーブル脚加工
一枚板はサイズがそれぞれ違うため、テーブル脚もご注文毎に天板に合わせたサイズで製作していきます。
4本脚、ハの字脚、T字脚、アイアン脚のタイプがあります。どのタイプの脚でも、天板を支えるのに十分な強度が出るよう設計、加工しています。
天板に接続金物が必要な場合は、この時加工しておきます。
・サンディング
加工の終わった全てのパーツをサンドペーパーでヤスリがけします。鉋がけをした部分は#150〜#320のペーパーを目の粗い順に使って磨いていきます。
曲線の多い一枚板の耳の部分は、鉋がけができないため、#60のペーパーからかけていきます。自然の樹皮の形を生かすよう、慎重に仕上げていきます。一枚板の耳はサンドペーパーがけで最も時間のかかる部位です。
・塗装
最後にオイル塗装をして仕上げになります。オイルはドイツ製でプラネットカラー社のグロスクリヤーオイルを使用しています。刷毛で全体に塗り広げ、ウエスでしっかり拭き取ります。天板はオイル塗装を2〜3回繰り返し、重ね塗りをして、数日乾燥させれば完成です!塗装、オイルメンテナンスについて詳しくは塗装についてのページをご覧ください。